「錫」の持ち味や特性について

2006.05.17  金属工芸品のお手入れ

金属工芸で用いる各種金属素材を、それぞれご紹介いたします。

それぞれの素材に持ち味や特性があって、それを巧みに活かし、用途やデザインによって使い分けます。今回は当店が江戸期の創業以来得意とする「錫」についてご紹介いたします。(「錫製品の素材について」はこちら)

 

●融点が低い

加熱して溶け出す温度は低く、およそ摂氏230度で溶解します。低い温度で解けるため、製作には溶鉱炉が必要ありません。鉄や銅に比べると高度な設備が必要なく、街中の民家でも製作が可能です。直接火に掛ける器(湯沸しや鍋)は作れません。

●非常に柔らかい

布や紙、指で触れても細かい傷がつきます。器を落とせば当然凹みます。永く使用していると、器によってはキズだらけになります。傷付くことによって生まれる寂びた美・味わいは深く、最大の長所でもあります。使い込み使うほど風合いが増すのが特徴で、錫器の見た目の美しさは、その柔らかさによるところが大きいようです。

●よい香りがする

金属にはそれぞれ固有の「香り」があります。錫にももちろん香りがあり、そのもつ甘くフルーティな芳香は、茶や酒を引き立てると愛好されています。

●エコ素材

古来より、万一壊れても修理しながら使うことはもちろん当然のことながら、どうしようも使えなくなったものも、一旦溶解して新しいものに作り変えています。古くなったものを地金として引き取り、新しいものをお納めするシステムも確立しています。循環型社会に合う、非常にエコな素材です。

大きく分けて、ロクロで削りだす切削製法と、金鎚で打ち出す鍛造製法があります。

 


 

写真は、当工房の2006年春の新作「船徳利」(三合入:12×12×13センチ)。限定15個を製作しました。
※現在こちらの商品は販売を終了致しております。

 

お買い求めについて

錫製品、錫器、錫製酒器のお求めは、京都寺町二条の店舗の他、オンラインストアからもご購入いただけます。

オンラインストア「錫」

清課堂オンラインストアでは、この他各種新作も取扱いしております。