錫製品の素材について

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古くは紀元前2500年頃から、主に飲食器として文明の発展とともに盛んに行われるようになった錫製品づくり。地域や時代によっても少しずつ作り方や素材の構成は違いますが、概ね錫90%以上が含まれる錫合金が用いられています。

伝統的な錫器には、純錫(99%以上のもの)地金を用いることはまずありません。なぜなら純錫は柔らかすぎて器の寿命が極端に短いため、必ず他の金属を加えて合金化、硬くして耐久性を持たせています。(錫に限らず多くの金属は「疲労」と言って力を加えることによって組織が崩壊していきます。崩壊を防ぐためには動かないことが重要です。)

世界各地で用いられてきたピューター合金(別名ブリタニアメタル)は91%の錫に、アンチモン7〜8%、銅2%となっています。硬く加工性が良いことが特徴ですが、変色しやすい欠点もあります。そんな中、近代の日本の錫器は錫の含有量が高く97%以上含まれていて、色が変わりにくい特徴があります。美しい色をしていますが、ピューター合金に比べると柔らかく傷つきやすい素材でもあります。

清課堂では、飲食器に用いる地金として数種類の配合を変えたものを使い分けています。中でも板を叩いて成形する鍛造品には、錫99%、銀1%の特殊なものを使っています。数十年使い続けた場合でも比較的美しい清潔感のある色が保てることや、適度な硬さと弾性を持ち加工がしやすいことから、あえてそれを使っています。また鋳造品の場合は鋳造性を良くするために、それにビスマス、アンチモンを1%未満加えて用いることもあります。

そもそも人体にとって無害の錫ではありますが、食品に触れる以上それに加える他の金属も無害でなくてはなりません。古代の錫製品には有害な鉛やカドミウムなどが含まれていたものも中にはありますが、現代では飲食器の素材について食品衛生法によって厳しく規制されています。稀に錫製品が体に悪いといった誤解をされている方もいらっしゃいますが、錫に似た性質を持つ鉛と誤解されているか、もしくは鉛を含んでいた古い時代の錫器と誤解されているかと推測します。

 

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