金工の技法 / 彫金・鋳金・鍛金 金工部会展 2021

2021.04.02  展覧会

2021年4月29日より開催する展覧会「彫金・鋳金・鍛金 金工部会展 2021」は、日本工芸会近畿支部 金工部会による彫金・鋳金・鍛金それぞれの技法を駆使した名品を展示しております。その金工の技法について改めてご紹介いたします。

 

彫金(ちょうきん)

金属に鏨(たがね)を使って彫刻したり、切削して文様を造形する技法です。多様な彫り方があり、装飾効果を高めます。この技法は鏨の形状と彫り方の違いで、毛彫、蹴彫、片切彫、彫り崩し、肉合彫り、または表面の変化をつける技法として、魚々子打ち、石目などがあります。金属の表面に、別種の金属を嵌め込む象嵌も彫金の一種です。線象嵌、平象嵌、高肉象嵌、布目象嵌など、その技法は多種多様です。

上田稔 作 「四分一銀接合象嵌花器(煌)」

上田稔 作 「四分一銀接合象嵌花器(煌)」

 

鋳金(ちゅうきん)

鋳物(いもの)とも言います。鋳物砂(耐火度のある砂)や土で作った鋳型に、加熱して溶かした金属を流し込み目的となる形をつくる技法です。鋳型のつくり方には、鑞型、込型(こめがた)、惣型があります。文様をいれる場合は、あらかじめ鋳型の表面に彫り込んでおきます。弥生時代の銅鐸にも使われていて、茶の湯釜、仏具や仏像、置物、花瓶、鐘など多種多様な器物が作られます。

角谷勇圭 作 「桜文白銅蓋銚子」

角谷勇圭 作 「桜文白銅蓋銚子」

 

鍛金(たんきん)

打物(うちもの)とも言います。金属の性質を活かし、金槌や木槌で金属の板を延ばしたり、曲げたりする技法です。壺や皿、花瓶、銅鑼(どら)などの器物が作られます。一般に金属塊を叩いて薄い板金をつくり成形する技法を「鍛造」と言い、金属板を表と裏から打って立体をつくる技法を「鎚起」と言います。また鉄を鍛錬して日本刀を作る技術は「鍛冶」と呼ばれ、ここで言う鍛金とは区別します。

三好正豊 作「鍛鉄透波文四方花器」

三好正豊 作「鍛鉄透波文四方花器」

 

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