創業180年記念巡回展(1)台中~香港

2019.01.21  コラム 清課堂の日々

2018年は清課堂が創業して180年目を迎える節目の年にあたり、それを記念した新作、展覧会、記念誌の出版に取り組んでいます。その中から、8月から各地続けて行った巡回展について2回にわたりご紹介します。

まず最初は8月、台灣台中市にて過去2回にわたり開催している台灣国立美術館にある『秋山堂』での展覧会です。

 

台中市【2018清課堂 錫器賞 -180周年紀念-】

日時:8月18日—9月16日 場所:『秋山堂』台中市西區五權西路一段2號台灣国立美術館B1

およそ1ヶ月にわたる展示のほか、18日初日には昼の部・夜の部各50名(事前予約制)の交流会としてお客様をお招きしての茶会・トークショーを行いました。ここ秋山堂は、台湾を代表する茶館であり茶業者の「春水堂」が運営する茶文化発信基地となっています。(春水堂人文茶館:1983年台中市で創業。台湾で国民的な人気を誇るタピオカミルクティ発祥のお店でもあり、台湾国内はもとより日本、香港で60店舗以上のお店を構えている有名店です。)。広い敷地内には茶席がいくつもあり、美術品、工芸品、骨董品が展示されています。清課堂からは作品だけでなく、京都の店頭で普段使用している暖簾(のれん)もわざわざお持ちしました。

清課堂180周年記念巡回展台中

8つ設けられた各テーブルでは、台湾茶の先生方が清課堂の作品をお使いいただきながら、台湾茶の点前を披露いただきます。

以上、写真提供:春水興業グループ/撮影:黃少廷

 

過去2回同様、交流会は予約開始すぐに定員が埋まってしまうほどの盛況ぶりでした。今回は創業以来清課堂が最も得意とする「錫」について、ともに歩んできた人類の歴史や使われてきた器物についてお話しをさせていただきました。単に作品を見ていただくだけではなく、その作品が生まれた背景をしっかりお伝えするとともに、台湾のお客様との相互交流を大切にしています。

台中での展覧会が終わり中10日を挟んで、次は香港で行われるアートフェア「Fine Art Asia 2018」への出展です。このアートフェアは香港最大のフェアの一つで、中国古銅器から現代アートまでを網羅する幅の広いアート作品が並ぶことで有名です。高鐵(新幹線)の開通によって香港国内のみならず、中国本土からもたくさんのお客様がおいでになります。

 

香港【Fine Art Asia 2018】

日時:9月29日—10月2日 場所:Hall 3C 『Hong Kong Convention and Exhibition Centre』 1 Expo Drive, Wanchai, Hong Kong

5日間の会期のほか、前日の28日(金)はVIP招待客だけをお招きした内覧会とレセプションで、政財、美術界の大物たちがこぞって来場されました。

fine art asia

毎日、開場前にはホールの入り口に大行列が出来るほどの盛況ぶりです。香港での人気がうかがえます。

28日の内覧会・レセプションには、香港の林鄭月娥 /Carrie Lam大統領(香港特別行政区行政長官/ Chief Executive of Hong Kong)にブースへお越し、手に取ってじっくり作品をご覧いただきました。

今回のこの香港のフェアは、京都清課堂に何度も足を運んでいいただいているFine Art Asia主催者からの強い要望で出展することが出来ました。その御意向をくみ従来の清課堂の代表的な作品たちをご紹介するだけではなく、とくに伝統的金工技術の木目金に着目した展示としました。杢目金作家の佐故龍平、ダマスカス鋼造形作家の加藤貢介の作品展示には、各メディアはもちろん多くのお客様に注目していただくことが出来ました。

展覧会報告「創業180年記念巡回展(2)中国北京・杭州・成都・深セン」につづく