錫 切立式茶入 季節の詩

2014.12.11  お誂え 茶の器

師走に入り、何かと慌ただしい年の瀬でございます。

清課堂では、様々な季節を感じる作品を製作しておりますが、こんな錫製の茶器はいかがでしょうか。

 

錫切立茶入

< 晦日送窮 >

錫切立茶入

錫切立茶入

古人皆惜別
此別恨消魂
只是空相送
年年不出門

姚合 作

貧乏神を送り出す、旧い中国の風習が描かれています。貧乏神を窮鬼と呼んで、一月の終わりに窮鬼を追い出すのが習わしです。「窮を送る」は貧しさを送るということで、酒を地に垂らして富の到来を祈るという『瀝酒』(=酒を垂らし祝う)という風習となり、正月晦日の行事になったそう。

古人皆別れを恨むも、
此の別れ恨みて消魂す。
只だ是れ空しく相ひ送るも、
年年門を出でず。

 

高さ8cm、 胴径5cm、手のひらに乗るほどの、点前用の小ぶりの茶入れです。
内蓋なし、木箱入り。

38,500円 (税込み Inc. Tax)

 

 

< 尋隱者不遇 > ※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。

錫切立茶入

錫切立茶入

松下問童子
言師採薬去
只在此山中
雲深不知處

賈島作

 

古い中国の詩人たちも、「歳寒三友」として、おめでたいものを並べ正月を祝い詩をつくったのでしょうか。このたび、点前用の煎茶器、切立(きったて)式の茶入れに不老長寿の松が登場する詩を彫り込みました。お正月の茶器としてご提案いたします。

松下(しょうか) 童子に問へば、
言ふ 師は薬を採らんとして去る。
只(た)だ此の山中に在らんも、
雲深くして処を知らず。 

 

3月 < 陶靖節注集 > ※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。 

豊かな農村の風景を詠んだ詩

良田美池、桑竹の属有り
阡陌交通し、雞犬(けいけん)相聞こゆ
其の中に往来し種作す
男女の衣著(いちゃく)、悉(ことごと)く外人のごとし
黄髪垂髭(こうはつせいちょう)、並びに怡然(いぜん)として自ら楽しむ

 

4月 < 惜 春 花 >

咲き誇る花々を詠んだ詩

枝上(しじょう)の花 花下(くわか)の人
可憐(あわれむべ)し顔色倶(かおいろとも)に青春
昨日看花(はなをみしに)花灼灼(しゃくしゃく)たり
今日看花(はなをみる)るに花欲落(はなおちんとほっす)

 

5月 <  燕子辞 > ※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。

えんしのじ

燕子来時春雨香
燕子去時秋雨涼
鴛鴦一生不作客
夜夜不離雙井塘(ややはなれずそういとう)

注)燕がやって来た時、春の雨はかぐわしく、燕が帰る時、秋の雨は涼しい。しかし、鴛鴦は一生旅をせず、毎夜双井塘(江西省修水県の西にある堤)を離れない

 

6月 < 無官楽 > ※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。

むかんのたのしみ 消夏诗作

不著衣冠近半年
水雲深處抱花眠
平生自想無官樂
第一驕人六月天

注)仕事をやめ衣冠をつけなくなって半年近くになり、今は雲深い
山中に花を抱いてゆっくり眠る身の上。
平生から他人の無官の楽しみをうらやんでいたが、やっと手に 入れることが出来た。
この境遇で一番誇らしいのは、この六月に、宮仕えの人々が心身つかい果たし汗を流しているなかで、こうしてゆったりとくつろいでいられることだ。

お客様お気に入りの漢詩を彫り込むこともできます(文字数に制限が有ります)。
詳しくはお問い合わせください。

By Yamanaka

 

お買い求めについて

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