金銀銅錫の枯渇

2007.11.30  コラム

日本において、伝統的に用いられてきた金属素材を「五金」と呼ぶことがあります。金、銀、銅、錫、鉄の5つを指し、成形・加工、装飾、リサイクルなど、独自の技術を育んでまいりました。

 

私共が最も心配しているのは、昨今の急激な需要増に伴う価格の急騰だけでなく、それそのものが手に入らなくなることです。

今春に「物質・材料研究機構」の発表にあるとおり、”2050年までに多くの種類の金属が現有の埋蔵量ではまかないきれなくなり、中には埋蔵量の数倍の使用量が予想される金属もあることがわかった”そうです。

特筆すべきは、”特に、金、銀、鉛、錫の累積使用量は2020年の時点で現有埋蔵量を超えることが予想される。”というところです。2020年といえば、もう目と鼻の先にある、緊急を要する大きな問題です。

来年2008年は、私共の先祖が創業して170年目を迎える特別な年。様々な催しも計画しておりますが、大きな節目である200年は迎えることが出来るのでしょうか。


今日は、祇園さんの西楼門の完成披露序幕式、通り初めに参りました。お化粧直しに8ヶ月もの間、覆われていました。これは応仁の乱で焼失したあと500年余り前に再建されたもので、国の重要文化財です。改装されたものは、震度5にも堪えうる構造であるそうです。

伝統の様式と最新の技術が組み合わさった素晴らしいものでした。