被災地で夏祭り

2011.08.02  清課堂の日々

清課堂に本部事務局を置いているボランティアチームにとって、第5回目となる現地活動の様子をお伝えします。
今回、中止が相次いだ「夏祭りの縁日」を我々の手でお届けしようと企画しました。
 
7月25日 気仙沼市大島 仮設住宅集落にて60人分の食事+小さなお祭り縁日
7月26日 陸前高田市 仮設住宅集落にて100人分の食事+小さなお祭り縁日縁日
7月27日 古町児童館 小さなお祭り縁日
7月29日 月立小学校 小さなお祭り縁日、夜は旧月立小学校跡に地域の方を招いて食事会
7月30日 赤岩児童館 気仙沼市全域の児童館の子供たちとご家族500人を招いての夏祭り
赤岩児童館での夏祭りは、当初予定していたのは300人前後の来場者とのことでした。それが噂を呼んで500人が集まるお祭りへとなりました。

お好み焼き、たこ焼きは材料が限られているため、2度も追加の材料買出しをしました。この夏祭りには、地元気仙沼の女子高生、男子中生もボランティアでお手伝いに来てくれました。小さな子供たちには少しの間だけでも笑顔を見せてくれたように思います。


今回私個人が感じた大きなこと。まずひとつは、現地に来るボランティアのあまりの少なさでした。
夏休みに入ったというのにもかかわらず、ボランティアセンターを訪れる学生もちらほら。
瓦礫の撤去、泥かきに大挙して押し寄せた4月とはうって変わって、いまやテント村ベース地にキャンプインしているテントもまばらでした。なぜにこれだけしか来ていないのか、その少なさに唖然としました。
6月中旬に廃止となった、高速道路休日割引が無くなってしまったのが原因かもしれませんし、もともとマスメディアがこぞって報道していた「自己完結型ボランティアのススメ」のせいもあると思っています。被災地へボランティアに行くことの敷居の高さが感じられました。ボランティア=自己完結=被災地域から施しも受けず娯楽をせず、持ちつ持たれつの関係性さえも拒む流行のスタイルは、多くの若者からは縁遠いものだと思います。まるで巡礼・修行の旅のよう。
現地のホテルに泊まってレストランで食事をとり、居酒屋で飲むことも、重要な被災地へのボランティア貢献だと考えます。

最後に、震災後4ヶ月以上経ったこの時期でも、まだまったく手付かずのまま瓦礫の山が延々数百キロ続いています。人も家も工場も店舗も、すべて流されてしまったまま。
この現状を今、できる限り多くの人に見ておいてほしいと思います。今行くと復興活動の妨げになるから、という気持ちはもう取り払ってほしいです。

たくさんのニホン人に、世界の人々に今すぐにでも行ってほしいと思います。海外旅行や帰省など今年だけはちょっとお休みして、夏休みにでも沿岸部津波被災地を見てきてほしいと思います。

 

京都から一関まで、新幹線でわずか6時間。そこから例えば気仙沼沿岸部までバスも電車も走っています。営業しているビジネスホテルもあります
甚大な津波被害のあった陸前高田や南三陸も、タクシーで気仙沼から往復1時間前後です。時間があれば、大船渡や釜石まで足を延ばすのもよいと思います。
気仙沼をベースにして、視察目的で行くのも私はよいことだと考えます。そしてお金をいっぱい落としてください。
実際に行くと、津波被災地とそうでない私たちとのおおきな「ズレ」が判ることでしょう。

気仙沼市に送りつけられた、使い古しのランドセル1000個。つかわれることのないまま、いまだ山積みになっている状態。これが、被災地支援の現実。