3つの茶入を一組に “錫 銀杏式三ツ組茶入”

2022.03.12  茶の器

一点限りの創作の品として、これまでに無い趣向の茶入を新作しました。作品名「錫 銀杏式三ツ組茶入(すず いちょうしきみつぐみちゃいれ)」と名付けた、文字通り銀杏をモチーフにした組み合わせ式の茶入です。

 

“北は黄に銀杏ぞ見ゆる大徳寺”

京都生まれの俳人 “黒柳 召波(くろやなぎ しょうは)” の句にも登場しますが、もともと銀杏は神社仏閣によく植えられている植物で、こちら京都市内いたるところで目にすることができます。弊堂の面する寺町通には街路樹が、近くの京都御苑(御所)にもたくさん植えられています。一説では原生する樹木の中でも最も古くからあるらしく、およそ2億年前から地球上に存在したのだそう。

複数の茶葉を点前で楽しむものとしては、古くから煎茶道具の「一双式(いっそうしき)」と呼ばれる2つの茶入を一組みにして用いるものが有名です。これまでに無かった(見たことがない)3つ一組の茶入は、私自身が近年幅広い種類の中国茶を、例えば白茶、黄茶(烏龍茶)、紅茶などを普段から楽しんでいることから着想しました。

3つの茶入にはそれぞれ、肩の部分に銀杏葉の彫刻をあしらっています。一枚葉、二枚葉、三枚葉の彫刻を目印にして、中の茶葉を混同しないよう工夫してあります。

茶入ひとつあたりの容量としては、一般的な煎茶点前に用いられる茶入に準じたもので、煎茶にしておおよそ60g入るものです。底部には弊堂の作品であることを表す「清課堂造」の刻印を施しました。

もちろんそのままでお使いいただくのもいいですが、本作では三つ組にしておくための皿状の専用台をご用意しています。台には茶入がそれぞれピッタリ収まる区切りが設けてあるほか、それぞれの位置が固定されたものではなくスライド式になっていて取り出す際に手が他の茶入に干渉しないよう取り出しやすい機構が内蔵されています。

■質感:光沢のある磨き仕上げ 受け皿は石目(ざらざらした仕上げ)
■3点茶入を受け皿にセットした状態
大きさ :φ168×h90 mm
重さ  :1,380g
■茶入単体
大きさ :w95×d55×h87 mm(wは対角長手)
重さ  :300g
内容量 :茶葉 約60g入
■受け皿
大きさ :閉じた状態 φ168×h18、開いた状態φ168×h18 mm
重さ  :480g

 

お買い求めについて

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・錫 銀杏式三ツ組茶入 ※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。

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